手で描く!ゆる絵は設計の現場で役に立つ強力なスキル

家を建てるって楽しいけどシンドイ

夢のマイホームといいますが「家を買う」のと「家を建てる」のは大違いです。
マンションや建て売りというのは実際に物件を見てから買うか買わないかを決められますが
「実際に見ることができない」家を建てるという行為は全く別です。

お施主様(お客様のことです)は
想像したモノに大金を払うことになるからです。

個々の部資材であるキッチンやお風呂だけなら予め確認出来ます。
でも、これから建てる我が家を見ることはできませんね。

一生のうちで一番高い買い物なのに、支払う対象はイメージするしかない。
建築とはそういうモノなんですけど、お客様の立場だったらシンドイのではないでしょうか。

果たしてそのイメージは図面と合っているのか?が問題となります。
全く違うモノを想像していたら出来上がった家と違うわけなので
お施主様は不安ですね?その不安を解消するために我々建築家がいるのです。

お客様の頭の中に3Dを描く仕事

僕は今までに200棟以上、人様の家を設計してきました。
一回3時間ほどの打ち合わせの間は皆さん息を殺して図面に向かっています。

僕の説明を聞き、必死になって完成形をイメージしているのです。
フツーの人は日常生活でこんなことしません。

建築家の仕事とはお客様の頭の中に3Dを描いてあげることです。
図面にある空間をお客様の頭の中に描いて差しあげるのが仕事です。

「そんなのCADでウォークスルー(バーチャル的な空間を歩くことができます)
でも作れば済む話じゃん」
とおっしゃる方もいるでしょう。僕も時々この方法を使います。

でもメインではありません。
いろいろ考え悩んだけど、結局なぜそうしたのか?という”結論に達した理由”がないと
納得していただけてないかも知れないからです。

オーダーメイドこそ住宅建築の醍醐味!

打ち合わせをしているとお施主様がスマホを取り出して
「こんな洗面台が欲しいんです」
と恐る恐る見せてくれることがあります。

大抵のモノは作れますが、スマホの写真と実際計画している図面上の洗面室は違います。
ここで僕がすべき仕事は図面上の洗面室にスマホの洗面台を置いたらどうなるか?
完成予想図をイメージしてもらうことです。

この場合、その場でCADを屈指してパーツを組み替えてウォークスルーに変換すれば
済むのでしょうか。手作りの場合はパーツは無いですね。しかも細かくて複雑な構造となることが多い。この場面で活躍するのはやっぱり絵なんです。

建築家”らしさ”を積極的にアピール出来る絶好のスキル

「う~ん。いまいちイメージ出来ないんですよね」
お客様がこんな顔をしていたら魅せるチャンスです。

図面をひっくり返し、完成予想図を鉛筆と色鉛筆でサクサクッと描ければ
スムーズだし時間も掛かりません。強く印象に残るので後で間違った結果にはなりません。

「うわあ~絵上手いですねっ!」
「ふふふ。まるで建築家みたいでしょ?」
このやりとりはよくあります(笑)

建築家と言ったって安藤先生みたいな巨匠ではないのです。
巨匠ではないけどこの先生って意外とスゴイっ!
と思っていただけたら信頼感アップに繋がるはずです。

絵が描けると”建築家らしさ”をアピール出来る最強のスキルになりますよ。

ちなみに。平面図や内外のパース等を描いていくうちに洗面台くらい上下逆にしてでも描けるようになります。
上下逆?テーブルの正面にいるお施主様側を床として描くんです。
まあ、それくらい上手くなったらなったでリスクもあるのですが・・・。

まとめ

コンピュータで何でも出来ますし、僕の仕事のほとんどはPCがなければ成り立ちません。
ただ、誰もが使いこなせるようになった現代ではもはやそれだけでは足りないんです。

特に、大事な人に大事なことを伝える手段としては弱い存在かもしれません。
最新の手段と原始的な技術を組み合わせると意外な結果が生まれるはずです。