学校では教えてくれなかった!あなたのアイディアは120%伝わっていますか?

絵を描いたことがない世代に教えてみたら

30年前、僕が設計事務所で修行を始めていた頃はコンピューターはありませんでした。
全てT定規(平行な線を書く道具)とシャーペンでトレーシングペーパーに
書いていました。ようやくCAD(製図用ソフト)が普及したのが10年後ですから
僕より10歳以上若い設計さん達は手で図面を描いたことがないそうです。

図面でさえPCなのだから、手でスケッチを描くなんてできっこない。

そう言っていた後輩はある期間、我が事務所で手伝いつつ絵の描き方を
習っていました。その後、独立してたった3年で家を建ててしまいました。
今では収入が僕の2倍とも3倍とも・・・。
まあ、絵のおかげってだけではないでしょうけど、今でも飲みに行けば
「先生のおかげです!」と感謝してくれます^^

別の後輩にも同じ事を教えましたが
「お客様に絵が上手いですね!と褒められちゃいました~♪」
と嬉しい報告を届けてくれました。

時々彼のプレゼンを目にすることがありますが
僕の絵とは全然違う味わいのある絵を描いていました。

彼らは皆当サイトで紹介しているテクニックの手ほどきを受けたわけですが
もともと絵を描いたことがない若者でしたが、伝えたい!と思いながら描いているうちに
自分のスキルとして習得し、自分なりにブラッシュアップしてるのを見て逞しさを感じました。

設計事務所を開設したばかりの頃の僕は言葉でイメージを伝えるのがとても苦手でした。
ボキャブラリーが少ないというのもあるけれど、頭の中で浮かんだイメージをササッと取り出し、見せる道具がなかったからです。

ピンッ!とひらめいた良いアイディアをどうやって伝えようか?絵を描くしかなかった。

今ではスマホもあるし、ノートパソコンにCAD(製図用ソフト)を入れて持ち運べる!(ほんの数年前までは動作が重すぎてムリでした)その場で修正してウォークスルー(疑似体験)まで出来ちゃう!

もはやコンピューターがなければ何も出来ない時代になってしまいました。

世界中はもとより、建築業界がこれだけPCに依存していると
当然、どの会社もPCを使った販売戦略をとるはずです。
中には海外の安い人件費でプレゼンを制作している会社もあるそうですから
テーブルの上が同じような画像で埋め尽くされるという困った状態になるわけです。

「誰でも出来る=どれも同じに見える」理由はPC依存にあったわけです。
手描きのプレゼンをオススメする理由のひとつとして
ズルい言い方ですが”他社と同じ土俵で戦わない”のは重要です。

学校では教えてくれなかった!熱伝導率がケタ違いな現場のテクニック


「イメージ通りでびっくりしました!」
「楽しそうな家ですねっ」
こんな言葉を頂けるとホッとします。

限られた時間の中で一軒の家を考えるのは楽しくもあり、苦しくもあります。
「どんな暮らしをイメージしてるのだろう?これでいいのかな?」
良いのか悪いのか自問しながら図面を描いているのです。当然そこには建築家としてのアイディアを盛り込んだ熱の入った物になります。ですが、こうして考え抜いた家がはたして「正確に伝わっているのか?」という根本的な問題が・・・。

どんなに素晴らしいアイディアが浮かんでも伝えられなければ意味が無い。

映画やゲーム、CMのように疑似体験を作り出せるコンピューターは素晴らしくて、僕も利用します。っというか、PCで作ったプレゼンで仕事をしています。一回入力すればバリエーションは無限大です。アッチからもコッチからもひっくり返して見せることも可能でなんですから。

で、感じるんです。コンピューターでは熱は伝わらないと。

あなた方のために一生懸命考えたんです!という僕の熱(思い)が相手に伝えにくいんです。
その証拠にPCで描いた場合には感動のお言葉はあまり聞けません。
手描きの絵は人の心に響く「作り手が持つ思い=熱」を伝える役目をしているんです。

現場の仕事は学校では教えてくれない

建築の仕事をしていれば営業から事務職まで大学の建築科を出ている方ばかりです。
見回せば一級建築士だらけ。
当然、仕事も出来るし頭もすこぶる良い。知識も豊富です。
でも、意外と絵に自信がある人はあまりいません。

絵を描くという行為は美術系の専門だからでしょうか?
「俺も絵が描けたら独立したのになあ~」
と先輩に言われたこともあるくらいです。

建築家に必要な能力とはお客様の頭の中に3Dを描いてあげること

自分で考えて自分で作って自分で売るという自給自足クリエイターは別として、モノを作る仕事に携わっている人はスケッチを描きますね。言葉で伝えるより早いし正確です。

戸建ての住宅建築の仕事は「お見せするモノがない」という点で他のデザイン業とは違います。まず試作は出来ません。完成してから
「イメージと違いますか?では作り直しましょう!」というわけにはいきませんよね?

工事を始める前に、一から十まで知っておいていただかなければないし、できる限り完成形をイメージしておいていただく必要があります。

もちろん、似た間取りやモデルハウスなど参考例は沢山ありますが、参考にしかなりません。
家はお客様が100人いたら100人とも違うのが当り前ですから、その都度考えて、何らかの形でイメージしていただかなければならない。しかも正確にです。

思い描いた空間やひらめいたデザインを伝えるには絵が大きな助けになります。

学校ではデザインの授業もありますし、描き方を教えてくれる場合もありますが、頭の中のイメージを表現する方法は教えてくれません。

まとめ

■ 若い設計士に絵の描き方を教えたら大活躍している。
■ アイディアは伝わらなければ意味がない
■ 絵は便利だがイメージを表現するのは難しい。